「エスプレッソはありません」それでも、ハンドドリップを続けている理由

皆様こんにちは。

KARUIZAWA COFFEE COMPANYの板倉です。

「エスプレッソはありますか?」

店頭で、よく聞かれる質問です。

特に海外からのお客様には、エスプレッソやカフェラテを求められることが多くあります。

ただ、当店にはエスプレッソマシンがありません。

ミルクを使ったコーヒーは、エスプレッソで作るラテではなく、ドリップコーヒーとミルクを合わせたカフェオレとして提供しています。

エスプレッソマシンを導入すれば、提供できるメニューは増えます。

ラテを求めて来店されたお客様にも応えられますし、商売だけを考えれば、導入したほうがよいのかもしれません。

それでも現在は、一杯ずつハンドドリップでコーヒーを淹れています。

今日は、その理由を書いてみようと思います。

店頭の一杯で終わらせたくない

KARUIZAWA COFFEE COMPANYは、自家焙煎コーヒー専門店です。

テイクアウトコーヒーも提供していますが、店の中心にあるのは、自分たちで焙煎したコーヒー豆です。

当店では、お客様の好みに合わせたオリジナルブレンドも100gからお作りしています。

店頭で一杯飲んで終わりではなく、気に入った豆を自宅へ持ち帰る。

飲む直前に豆を挽き、広がる香りを感じながら、自分でコーヒーを淹れる。

軽井沢から帰ったあとにも、そのコーヒーを楽しんでいただきたいと思っています。

そのため、店頭で提供する一杯には、軽井沢を歩きながら楽しむ飲み物だけでなく、持ち帰る豆を選ぶ入口としての役割もあります。

試飲という言葉では少し違います。

店頭で飲むコーヒーも、それだけで完成した一杯です。

ただ、その味を知ったことが、自宅で飲む豆を選ぶきっかけになれば嬉しいと思っています。

KARUIZAWA COFFEE COMPANYの店頭に並ぶ自家焙煎コーヒー豆

単純に、ドリップがおいしいと思っています

ハンドドリップを続けている一番の理由は、複雑なものではありません。

僕自身が、ドリップで淹れたコーヒーをおいしいと思っているからです。

豆を挽いたときに広がる香り。

お湯を注いだときに膨らむコーヒー。

少しずつ抽出され、一杯のコーヒーになっていくまでの時間。

飲むことだけでなく、淹れる過程も含めてコーヒーを楽しめるのが、ハンドドリップのよさだと思っています。

もちろん、エスプレッソやラテを否定しているわけではありません。

それぞれに違うおいしさがあります。

そのうえで当店は、自分たちがおいしいと思うドリップコーヒーを選んでいます。

ラテを飲みたい方には、他店をご案内します

当店でカフェラテを求められた場合は、まず、ドリップコーヒーで作るカフェオレをご案内します。

それでも「今日はラテが飲みたい」という方には、他のお店をご紹介することがあります。

旧軽井沢には美味しいラテを出しているお店があります。

せっかく当店へ来ていただいたのだから、自店の商品を買っていただきたいという気持ちはあります。

ただ、ラテを飲みたい方に、店の都合で別のコーヒーを無理におすすめすることが、お客様に寄り添うことだとは思っていません。

自分たちが売りたいものと、お客様がそのとき飲みたいものが、必ず一致するとは限りません。

当店にご希望のメニューがなければ、そのメニューを楽しめるお店をご案内する。

一見すると、売上を他店へ渡しているように見えるかもしれません。

それでも、お客様が本当に飲みたい一杯へつなぐことも、旧軽井沢でコーヒー店を営む僕たちにできる接客の一つだと考えています。

待たせること自体を、価値にはしない

ハンドドリップは、一杯ずつ抽出するため時間がかかります。

混雑しているときには、お待たせしてしまうこともあります。

ただ、待ち時間があること自体を、店側の都合で「特別な体験です」と言い換えるつもりはありません。

できる限りスムーズに提供することは、店として当然です。

そのうえで、お待ちいただく時間にも、挽いた豆の香りや、コーヒーが抽出されていく様子を楽しんでいただければと思っています。

抽出の様子を動画で撮影される方もいます。

淹れ方についてご質問をいただき、抽出についてお話しすることもあります。

待つこと自体に価値があるのではありません。

その時間に香りを感じたり、抽出を眺めたり、会話が生まれたりしたとき、初めて「ただ待つ時間」ではなくなるのだと思います。

当店が掲げている「ただ飲むモノから、楽しむコトへ」という言葉には、そうした時間も含まれています。

一杯ずつ淹れるから、好みに寄り添える

当店では、すべてのコーヒーを全く同じように淹れているわけではありません。

「少し軽めに飲みたい」

「しっかりとした味が好き」

そのようなご希望があれば、可能な範囲で抽出を調整します。

一杯ずつ淹れることは、効率だけを考えれば不利です。

ただ、一杯ずつ淹れるからこそ、その方の好みに近づけられる部分もあります。

メニューを増やすことより、自分たちが納得している一杯を、その方に合わせて淹れる。

今は、そちらを選んでいます。

何でもある店ではありません

当店には、エスプレッソもカフェラテもありません。

何でも揃っている店ではないため、ご希望に応えられないこともあります。

それでも、自分たちで焙煎した豆を、その豆とお客様に合わせて一杯ずつ淹れることはできます。

店頭で味を知り、気に入った豆を自宅へ持ち帰る。

自宅で豆を挽き、香りを感じながら、もう一度コーヒーを淹れる。

店で飲んだ一杯が、その先の時間まで続いていく。

それが、当店がハンドドリップを続けている理由です。

軽井沢にお越しの際は、コーヒーが出来上がるまでの香りや様子も含めて、当店の一杯を楽しんでいただければと思います。

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